ヨシの危機?!

少し前に、西の湖周辺にある「ススキ」は、じつはほとんどが「オギ」であることに気づき、西の湖ニュースに投稿しました。秋が深まって(もう立冬だけれど)、今朝、県道伊庭丸山線をトムソーヤ側から東へ向かって走ったら驚きました。

あの白い穂は何か?? ヨシの穂? ススキ? 違う

オギです。さらに進むと、

オギに席巻されています!!

北側は、ほぼ「オギ」によって制圧された状況です。

ヨシも、オギも、どちらも地下茎によって群生領域を広げます。違いは、ヨシは沼地(ジュクジュクした湿地)、オギは乾き気味の湿地に強いということです。ススキは湿地ではなく陸地に株によって群生します。

内湖(西の湖)のような底の浅い沼地は、基本的に、
「①湖沼湿地→②土砂の流入・植物の枯死体の堆積→③陸上植物の侵入→④乾燥陸地化」
と遷移するのが自然の摂理です。ただし、①から④に変遷する時間は、条件によって数十年かかるか数百年かかるかは変わります。
きっと濁った水の沼地は、早く推移し、透明な水であるほど時間がかかります。
ここ数十年、西の湖や八幡堀は濁っていますから、陸地化する速度は早くなっているのでしょうね。つまり、危険です。

南側のよし笛ロードでも、丁寧に観察すると、すでにヨシからオギにかわりつつあるのがわかります。それだけでなく、オギの群生地にススキの群生(株)も何箇所もあります。

また、南側ではセイタカアワダチソウの群生地も増えています。

西の湖周辺では、①ヨシ原→②オギ&ヨシ原→③オギ原→④セイタカアワダチソウ群生地、、、と遷移しているようです。③以降は陸地化が完了しているということです。

これ以上寒くなると、オギも枯れるので、オギとヨシの境界が見えにくくなります。

これはよし笛ロードの蛇砂川の東3-400mほどの場所。セイタカアワダチソウによって掌握されている。

話は変わりますが、かつて西の湖には約10万羽のツバメが「ネグラ入り」していたのに現在は1万羽と認定されています(日本野鳥の会)。その理由は、ヨシからオギに変わったからではないでしょうか??

じつは、オギは茎の強さが違い、茎と茎の隙間が異なり、風の強い日に深く潜りにくいなどから、停まれないのではないでしょうか。
ここ2年ほどヨシキリの数も極端に減った理由もこれに関係するのではないかと思います。

このお地蔵さんの背後は、オギとヨシの混成です。

その近くのよし笛ロード。ここは手前はススキで、左はセイタカアワダチソウ。

YAMAMOTO